MENU

刑事事件において弁護士は被疑者の唯一の味方

逮捕され、拘留されると、警察や検察からの厳しい追及がなされます。このとき取調室には被疑者がたった一人。毎日精神的に追い込まれるような状況に立たされるケースも少なくありません。つまり、逮捕された被疑者は、弁護士をつけない場合はほとんどのケースで孤独な戦いを強いられます。

緊張状態のなか連日の追及につい『自分がやったかも』と口にしてしまったり、やってもいない余罪の存在を匂わせると罪もどんどん重くなる可能性が高くなってしまいます。そんな状況のなかで唯一、被疑者の味方になれるのが弁護士なのです。

  1. ▶︎刑事事件に強い弁護士の選び方
  2. ▶︎刑事事件に強い弁護士はどう選ぶ?
  3. ▶︎刑事事件を解決を弁護士に無料相談する4つの方法

接見を弁護士に依頼する9つのメリット|弁護士費用やデメリットまで徹底解説

刑事事件の無料相談なら
ネクスパート法律事務所へ

接見(せっけん)とは逮捕されて身柄拘束をされている人に面会しに行くことです。一般の方の接見にはいくつかの制限がありますし、逮捕後すぐに接見することすら許されません。

しかし、弁護士であれば制限を受けずに接見をすることが可能になります。

接見を弁護士に依頼するメリットは、長期の身柄拘束や、前科を回避したりするために、然るべき対策を取りやすくなる点です。接見をしなかった場合、逮捕された人が取り調べで不利な発言をする恐れがありますし、犯行の嫌疑が晴れなければ、長期間身柄を拘束されることになります。

この記事では、接見を弁護士に依頼するメリットについて詳しく解説しつつ、費用や弁護士の呼び方などについても説明していきます。

 

目次

接見とは|接見のルールと接見禁止について

面会時間 イメージ

冒頭でもお伝えしましたが、刑事事件における接見とは、逮捕後に身柄拘束されている被疑者の元にご家族や友人、弁護士などが面会しに行くことを言います。

接見時のルール

接見するにあたっていくつかの決まりごとがありますので、まずはそちらからお伝えしていきたいと思います。

逮捕後72時間の接見禁止

まず、逮捕されてから72時間以内であれば、どのような事件であれ一般の方は接見することができません。

逮捕された直後こそ状況を確かめるために接見に行きたいところですが、捜査機関もまだ事件の全貌を把握しきれておらず証拠隠滅のおそれもあるからでしょう、接見に制限がされています。

一方で弁護士であれば、この逮捕後72時間以内の接見も問題なく行うことが可能です。逮捕後すぐに接見して状況を整理したい方は弁護士の接見を検討しましょう。

接見日・接見時間・接見回数の制限

逮捕から72時間が過ぎて接見できるようになっても、接見できる日時に決まりがあります。

施設によって若干前後しますが、接見できる時間帯は平日の8時半から16時くらいまでです。

また、接見できる時間は1回15分から20分程度、しかも被疑者は1日1回しか接見できませんので、もし他の人が接見に来ていたとすればその日は接見できないこともあります。

接見できる 平日
接見できる時間帯 8:30~16:00
1回の接見時間 15分~20分
1日の接見回数 1回

このように接見にはいくつかの制限がありますが、弁護士であればこれら制限を受けることなく、いつでも何回でも何分でも接見することができます。

差し入れの制限

接見時には差し入れを持って行って被疑者に渡すこともできます。

  • 着替え
  • 3万円以内の現金(施設内で買い物ができます)

などは喜ばれる差し入れですが、

  • 凶器になる物
  • 犯罪に繋がる物
  • 証拠隠滅のおそれがある物

などは当然制限がされていて差し入れることができません。こちらは事件防止のためですから、たとえ弁護士であっても差し入れをすることはできません。

弁護士は制限なく接見できる

このように接見にはいくつかの制限があります。すでにお伝えしていますが、弁護士であればこれら制限を受けることなく自由に接見ができます。

さらに、事件によっては以下のように接見禁止処分を受けることもあるのですが、接見禁止の場合であっても弁護士ならば接見可能です。詳しくは「接見を弁護士に依頼する7つのメリット」で解説します。

接見が禁止されることもある

逃亡や証拠隠滅などのおそれがあったり、組織的犯罪など、事件によっては接見禁止処分を受けて、たとえ逮捕後72時間を過ぎてもご家族の方でも接見できなくなる場合があります。

接見禁止になる理由

接見禁止になり得る理由としては、

  • 逃亡のおそれ
  • 容疑の否認
  • 証拠隠滅のおそれ

など、被疑者の態度や状況から禁止されることもありますし、

  • 組織犯罪
  • 共犯者がいる事件

など、そもそも事件の内容によって接見禁止になることもあります。この場合、詐欺事件や薬物事件、暴力団関係者の事件など、組織犯罪が多い事件が当てはまりやすいです。

 

接見を弁護士に依頼する9つのメリット

上でお伝えしたように、接見に関する制限を受けないことも弁護士のメリットですが、それ以外にも弁護士に接見に行ってもらうメリットは多くあります。

接見を弁護士にお願いするメリットややってくれることなどをお伝えしたいと思います。

接見禁止でも弁護士なら接見可能

上でもお伝えしましたが、このような接見禁止処分を受けた状態でも弁護士であれば接見可能です。

被疑者の身近な方であればあるほど直接会って話をしたいところですが、どうしても会えない時は弁護士を介して、会社や家庭の状況を伝えたり、事件を起こした状況・理由を聞いたり、お互いの状況を伝え合うこともできるのです。

取り調べにどう対応するべきか助言してもらえる

取り調べでの発言内容をまとめたものを供述調書といいます。供述調書は裁判のときなどに証拠として使われるため、取り調べでは慎重に供述する必要があります。

しかし、法律に詳しくない限りは取り調べにどう対応するべきかわからないのが普通です。不用意な発言をしてしまい、必要以上に不利な結果になるのを避けるためには、弁護士に接見を依頼する必要が出てきます。

弁護士の接見には時間制限がない

繰り返しますが、接見にはいくつかの制限がありますが、弁護士なら制限なくいつでも何度でも接見することが可能となります。

家族の接見では、(留置施設にもよる)10分〜20分程度しか面会をさせてもらえないケースがほとんどです。「元気か?」「元気」くらいのやり取りしかできないのが現実です。

たとえ逮捕された被疑者の身近な方が接見できない状態でも、弁護士なら接見可能ですので、会社や家庭などこちら側の状況を伝えたり、被疑者の状態を聞いたり、お互いの伝達役になってくれます。

時間の指定もない

通常、家族や友人などが接見しようとすると、警察から捜査の都合などで「今日は会えない」などと言われるケースがあります。

一方弁護士接見は被疑者・被告人の重要な権利なので、警察は取り調べを中断してでも実施しなければなりません。被疑者・被告人が実況見分で外に出ているときなどを除いては、接見が認められます。

警察官の立会いがない

一般接見には警察官が立ち会い、会話の内容が記録されるため、自由な会話は難しくなります。一方、弁護士が接見を行う場合は警察官の立ち会いがなく、会話の秘密も保持されるので、込み入った話も自由にできます。

今後の流れや対策などの適切なアドバイスを行ってくれる

弁護士は当然刑事手続きに精通していますので、今後どのような流れで手続きが進められていき、どうなっていくのかは事件の状況からおおかた説明できます。

さらには、被疑者に対してどう対応すれば最適なのか?どういう解決方法に持っていくことが最善なのか?といったアドバイスをくれます。

逮捕されて今後どうなっていくのか不安な被疑者にとって、ある程度の流れと対処法を教えて貰うだけでも大きな安心材料になるでしょう。

虚偽の自白を取られる可能性が少なくなる

逮捕・勾留された際に最も恐ろしいのが「虚偽の自白」を迫られることです。厳しい取り調べを受けると、精神的に追い詰められ、事実とは違うことでも「自分がやりました」とつい言ってしまうケースが多いです。

また実際にやったことであっても、実際より悪質に表現されたり余罪を多く書かれたりして、不利な調書を作成されてしまうケースもよくあります。

弁護士が逮捕後すぐに接見に立ち会うことで適切な対処方法をアドバイスしてくれ、不本意な供述調書を作成されるリスクが低下します。

味方がいることで否認を貫ける気力が保てる

いわゆる「冤罪事件」では、取り調べ時に否認を貫くことが重要です。しかし、警察官しかいない取調室のかなでは、被疑者1人で耐えることはかなりの精神的苦痛が伴います。

そういったときでも弁護士が常に接見に来て、励ましてくれることにより、被疑者は否認を貫ける気力を維持できますから、逮捕されても乗り越えることができます。

接見禁止解除のために働きかけてくれる

もし正当な理由なく接見禁止されているという状況の場合、弁護士が裁判官に対して準抗告(抗告)を行い接見禁止処分の解除に働きかけ、依頼者と被疑者が面会できるように努めてくれます。

理由があって接見禁止になっている場合でも、事件とは関係のないご家族の方なら接見禁止の一部解除を認められることもあります。

弁護士であればいつでも接見でき、被疑者と連絡を取り合うことはできますが、どうしても直接会いたいという時にも尽力してくれます。

結果的に早期解決につながりやすい

最後になりましたが、最大のメリットをお伝えします。逮捕後3日以内に犯行の疑いが晴れなかった場合、勾留という長期間の身柄拘束がなされます。

勾留される期間は原則10日間、最大で20日間です。長引けば長引くほど、学校や会社に復帰するのが遅くなってしまいます。逮捕後すぐに接見をし、適切な刑事弁護を行い不起訴を得られれば、身柄は解放されますし、前科もつきません。

接見を弁護士に依頼するデメリットはある?

一方で、デメリットとしては費用がかかる点が挙げられます。どうしても費用が払えない、という方は後述する当番弁護士に依頼をしましょう。

接見1回につき1~3万円程度費用がかかる

事務所によって異なりますが、接見を依頼すると1回あたり1万円〜3万円程度の弁護士費用がかかります。また、接見のみの依頼には対応していない事務所などもあります。料金プランがどうなっているのか、のちほど後述します。

接見だけでなく、刑事弁護が必要になる場合はさらに費用がかかる

接見だけで事件が全て解決するわけではありません。被害者がいる犯罪では、被害者との示談交渉が不起訴につながります。示談交渉の必要がある場合などは、接見とは別に費用がかかります。

簡易な刑事事件の場合、着手金と報酬金で、40万円~100万円程度の弁護士費用がかかります。接見だけではなく、刑事弁護の依頼も必要になるであろう点は留意しておいてください。

接見を弁護士に依頼した時の費用相場

弁護士に接見をお願いするとなるともちろん費用がかかってしまいます。

やはりいくらくらいの費用がかかるかは気になるところですね。こちらでは弁護士の接見費用を中心にご説明していきます。

相場は1回1万円~5万円

弁護士費用に関しては特に決まりはありませんので、具体的な金額や料金体系は弁護士事務所によって違いがあります。

ただ、一般的な接見費用相場は1回あたり1万円から5万円となっています(もう少し絞れば3万円前後)。

初回接見費用無料など事務所により様々

また、弁護士事務所によっては初回接見費用が無料になっていたり、接見後に依頼をすれば接見費用が控除されたり、反対に接見費用以外にも被疑者が拘束されている刑事施設に行くまでの交通費や弁護士の日当が追加料金となる場合もあります。

特に交通費に関しては、弁護士事務所と被疑者がいる場所が遠いほど高額になり請求される可能性も高くなりますので、まずは被疑者が拘束されている施設の近くの弁護士から探してみることをおすすめします。

接見費用以外の弁護士費用相場

接見だけでも十分という方もいらっしゃるでしょうが、中には弁護士に依頼して不起訴獲得や身柄開放などの方向に持っていきたいとお考えの方も少なくないでしょう。

その場合は弁護士に依頼して弁護活動を行ってもらいますが、刑事事件で弁護士に依頼した場合の費用相場は60万円~100万円程度です。

内容 費用相場
相談料金 1時間5,000円~10,000円
(初回相談料金無料の弁護士事務所もあり)
接見費用 1回1万円~5万円
着手金 30万円前後
成功報酬 30万円前後

費用の内訳は上記の通りです。

確かに高額な支払いにはなりますが、被疑者の今後の社会復帰などを考えると決して高すぎるという訳でもないでしょう。

弁護士に何をして欲しいのかを明確にして、必要であれば弁護士への依頼も検討していきましょう。

また、接見してもらうことにより今後できる弁護活動も明確になってきますので、接見してもらった弁護士と相談の上今後の対処を考えていただければと思います。

当番弁護士なら1度だけ接見費用が無料

中には1度の接見で状況確認をできれば十分と思っている方もいるでしょう。

逮捕されたて身柄拘束されている状況であれば、どのような被疑者でも1度だけ無料で接見のために弁護士を呼べる『当番弁護士制度というものがあります。

当番弁護士制度で弁護士を呼べば、各地区の弁護士会から当番になっている弁護士が接見に行ってくれるという制度です。

弁護士を選ぶことはできませんし、その後弁護活動を依頼するとなれば費用もかかりますが、1度の接見が無料でできることは大きなメリットですね。

「弁護士への依頼までは考えていないけど、相談くらいは…」という状況の方はぜひ積極的に当番弁護士制度を利用してください。

当番弁護士連絡先一覧」から各地域の受付窓口に連絡することができます。

接見をしてくれる弁護士は2種類

接見を依頼できる弁護士は、当番弁護士と私選弁護人のいずれかです。それぞれのメリットとデメリットを比較していきましょう。

当番弁護士

当番弁護士とは、初回のみ無料で接見を行ってくれる弁護士のことです。日弁連によって設置された制度で、家族が呼ぶこともできます。

ただ、無料で対応してくれるのは初回の接見のみなので、早期釈放を目指して刑事弁護を依頼する場合などは、費用を払って私選弁護人として対応してもらう必要が出てきます。

加えて、派遣される弁護士を選べるわけではないので、刑事事件の実績がない弁護士にあたってしまうこともありえます。『日弁連刑事弁護センター 当番弁護士連絡先一覧』から各都道府県の当番弁護士に連絡できます。

私選弁護人

お金を払って依頼する弁護士のことです。費用がかかってしまうものの、自由に選べるので、刑事事件の実績が豊富な弁護士を探して依頼できます。弁護士の実力によって最終的な結果が変わることもあるので、逮捕された方の将来を考えるのであれば、刑事事件の実績がある弁護士を選ぶに越したことはないでしょう。

 

弁護士に接見を依頼する際の流れ

弁護士に接見を依頼するとどのような流れになるのか、流れを確認しましょう。

まずは弁護士に接見を依頼する

弁護士に接見に来てもらうには、『当番弁護士』を呼ぶ方法と『私選弁護人』に依頼する方法があります。

当番弁護士であれば、被疑者が留置施設から呼ぶことができますし、家族が弁護士会に連絡を入れて派遣要請することも可能です。詳しくは後述の『当番弁護士なら1度だけ接見費用が無料』をご覧ください。

弁護士が警察や拘置所にやってくる

当番弁護士の要請をすると、弁護士会から弁護士を選任して被疑者のいる施設に行くよう連絡します。弁護士は留置施設に連絡を入れて被疑者がいることを確認し、即日から遅くとも翌日には留置施設に接見に向かいます。

接見を行う

弁護士が留置場に到着すると、警察に弁護士であることを告げて、接見の申請用紙を記入して提出、弁護士と被疑者が速やかに接見用の部屋に入り、接見を開始します。

弁護士が留置係に連絡・接見の終了

必要なことを話し終えたら、弁護士が警察の留置管理係に連絡を入れて接見を終了します。接見が終わったからといって、すぐに釈放されるわけではなく、被疑者は再度取り調べを受けることになります。

 

まとめ

逮捕された方との接見には様々な制限が設けられていますが、弁護士であれば制限少なく面会することが可能になります。

特に逮捕後すぐに接見して状況確認をしたいという場合は弁護士の力を頼りましょう。

弁護士に接見をお願いした場合の費用相場は1回あたり1万円~5万円。弁護士事務所によって料金体系は違いますので、実際にお願いする前に一度詳細を確認してください。

また、初回接見費用が無料の当番弁護士制度というものもあります。弁護士への依頼まではあまり前向きに考えていないけど、接見によって状況を確認したいという方はぜひ積極的に利用してください。

いざという時に保存しておくのがオススメ
目次
閉じる