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刑事事件において弁護士は被疑者の唯一の味方

逮捕され、拘留されると、警察や検察からの厳しい追及がなされます。このとき取調室には被疑者がたった一人。毎日精神的に追い込まれるような状況に立たされるケースも少なくありません。つまり、逮捕された被疑者は、弁護士をつけない場合はほとんどのケースで孤独な戦いを強いられます。

緊張状態のなか連日の追及につい『自分がやったかも』と口にしてしまったり、やってもいない余罪の存在を匂わせると罪もどんどん重くなる可能性が高くなってしまいます。そんな状況のなかで唯一、被疑者の味方になれるのが弁護士なのです。

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痴漢冤罪とは|主な原因と逮捕されるリスク・冤罪に遭った場合の対応も解説

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痴漢冤罪(ちかんえんざい)とは、実際には痴漢をやっていないのに痴漢を疑われて逮捕されたり有罪になり刑事罰など受けてしまうことです。

『それでもボクはやってない』という映画が10年ほど前に話題になりましたが、冤罪事件は社会問題の1つです。

痴漢冤罪が起きやすい背景には、満員電車などの混雑した状況で被害者からの供述だけで犯人とされてしまうことや、物的証拠が出にくいということ、実際に痴漢事件そのものも多く何かと話題になりやすいなどのことがあります。

さらには、虚偽の痴漢被害を訴えて、犯人に仕立て上げた人から高額な示談金を支払わせようとする恐喝事件までもが起きています。

今回は、痴漢冤罪とはどのようなもので、もし痴漢冤罪に巻き込まれてしまった場合はどのような対処法を取れば良いのかをお伝えしていきたいと思います。

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目次

痴漢冤罪とは?痴漢冤罪の実態と逮捕された場合のリスク

冒頭でもお伝えしたように、痴漢冤罪とは、やってもいない痴漢の罪で逮捕や有罪判決を受けてしまうことです。

まずは、痴漢冤罪とはどのようなもので痴漢の罪で逮捕された時にどのようなリスクがあるのかをお伝えしていきたいと思います。

痴漢は身近な犯罪|痴漢の認知件数はほぼ横ばい

痴漢件数の推移

【参考】
認知件数・検挙件数・検挙人員等の推移|平成27年版 犯罪白書

まず、痴漢事件そのものの認知件数ですが、上記のように毎年4,000件程度が認知されています。単純計算で1日当たり10件ほどの痴漢事件が認知されていることになりますが、あくまでも認知の数です。

認知とは、警察などで痴漢事件の発生が知られた件数のことを言います。実際に痴漢が起きているのに警察に通報されていない事件も山ほどあることでしょう。

痴漢被害の9割が通報していない

上図の10倍程度の年間40,000件(1日平均100件以上)の痴漢が実際には起きているとも考えられます。

電車で通勤・通学する大都市圏の女性の13.7%が過去1年間に車内で痴漢被害に遭っていたことが14日、警察庁が実施した初の痴漢に関する調査で分かった。このうち警察に通報や相談をしたのは10.9%のみ。捜査による面倒を嫌ったり、”泣き寝入り”したりする人が大半だった。同庁は「被害者が助けを求めやすい環境づくりを進めたい」としている。
引用元:痴漢被害、9割通報せず 防止対策「専用車両」が最多|警察庁調査

痴漢冤罪の件数を残したデータが無いため具体的に痴漢冤罪がどれくらいの割合で何件ほど起きているのかを調べることはできませんでしたが、この中にも痴漢冤罪が何件かは含まれていることになるでしょう。

痴漢詐欺の存在

無関係の男性に対し痴漢行為を訴える痴漢詐欺というものの存在するようです。痴漢詐欺とは女性が急に泣き出すなどした後に、周りにいた仲間がターゲットの男性を痴漢だと指摘し、結局被害者役の女性と仲間役は示談で金銭を巻き上げるという手口です。

電車内で痴漢だという発言があると周りは被害者役の女性に同情してしまうため、ターゲットにされた男性の立場は不利になってしまいます。

周りが男性の無実を証言できれば立場は変わるかと思いますが、満員電車で身動きが取れないと人の動きを見ることは難しいため、もし証言が得られなかった場合冤罪での逮捕となってしまいます。

男性による死亡例

痴漢冤罪を主張した男性が釈放されたのちに自殺をしたといった例や、痴漢を咎められ電車を降りた男性が線路に飛び込み、そのまま電車にはねられて死亡したといった例があります。

確かに身に覚えのない罪で犯罪者扱いされてしまえば家族や職を失うどころか、将来が閉ざされてしまったと考えてしまうでしょう。

実際痴漢を疑われた男性がするべき行動として「その場から逃げる」といった行動を勧める声もありますが、線路に降りること自体が犯罪ですし、命を落とさなかった場合でも損害賠償を求められる可能性があります。

痴漢に間違えられやすい行為

  • 満員電車で鞄を動かした際に女性の身体に触れてしまった
  • 電車の急カーブに差し掛かった際にバランスを崩して女性に触れてしまった

など意図しないところで痴漢に間違われてしまうことがあります。女性が「痴漢だ」と感じそう発言してしまえば、例え違っていても周りはあなたを犯罪者として見てくるかもしれません。

ネットの投稿などには、女性からのいいがかりのような発言で騒がれてしまったという男性の発言も数多く存在します。そういったことも踏まえ、できるだけ女性の近くには立たない、両手は下げず胸の位置に置くなどの対策をとりましょう。

痴漢冤罪で逮捕された時のリスク

痴漢を疑われてしまうと簡単には誤解を解くことができず、そのまま逮捕されてしまう可能性も高いです。

こちらでは痴漢冤罪で逮捕された時のリスクについてご紹介したいと思います。

長期間身柄を拘束される

痴漢の罪で逮捕されると身柄拘束をされてしまいますが、痴漢をやっていないと主張する痴漢冤罪では、否認事件としてさらに身柄拘束の期間も長くなると言えます。

警察や検察からは厳しい取調べが行われることもあり、途中で心が折れてやってもいない罪を認めてしまう方も少なくありません。

痴漢冤罪に対する対応はかなり難しくなりますので、後でもご説明するように弁護士を味方に付けて力を借りることをおすすめします。

社会的信用を失う

身柄拘束が長くなってくると、ご家族や会社の方にも「痴漢で逮捕された」という情報が行きわたり、社会的信用が低下することも起こり得ます。

「自分は絶対にやっていない」と真剣に伝えれば、きちんと理解してくれる場合もあるでしょうが、中には会社内での降格や最悪の場合の解雇、家庭環境では夫婦関係や親子関係の悪化にもなりかねません。

真実が認められるまでの間は大変苦しい期間でしょうが、本当に痴漢をしていないのであれば、やっていないという主張を続けなくてはなりません。

刑罰を受ける

実際に痴漢をしていなくても、痴漢冤罪で有罪になって刑罰を受けることも無いとは言えません。

痴漢で逮捕されると、『迷惑防止条例違反』か『強制わいせつ罪』のいずれかの罪に問われることになりますが、罰金刑の最高で100万円、懲役刑なら最長10年にもなり得ます。

やってもいない罪を疑われただけでも納得いかないですが、さらに刑罰を受けるとなるととても許し難い事態ですね…。無実の罪を認めてもらうためにも早いうちから手を打っていく必要があります。

【関連記事】
痴漢で逮捕されると何罪?罰則の重さと逮捕された後の流れや拘束期間

痴漢の冤罪事件が起きやすい原因

痴漢冤罪そのものの件数を把握することはできませんでしたが、映画化されたり、度々テレビで特集が組まれるなど何かと発生しやすい痴漢冤罪。

それでは、なぜ痴漢冤罪が起きやすくなっているのでしょうか?

こちらでは痴漢冤罪が起きやすい原因についてまとめてみました。

痴漢に対する世間の目が厳しい

痴漢の認知件数は年間4,000件程度、通報にまで至っていない発生件数全てを含めると年間40,000件程度あるのではとも考えられます。それほど痴漢は身近な犯罪だと言えるのです。

近年では、SNSで痴漢の撃退法が話題になったり、テレビでも度々特集が組まれるなど、痴漢に対する世間の目は厳しくなる一方です。

満員電車の車内など、痴漢が起きやすい場所で少しでも怪しい動きをすれば痴漢を疑われて通報されるような風潮になりつつあります。

被害者が泣き寝入りしないように世間が注目するようになっていることは良いことでしょうが、反対に実際に痴漢をやっていないのに疑われる痴漢冤罪が発生しているということも考えられます。

混雑した場所で痴漢が起きやすい

痴漢は満員電車などの人でごった返した場所で起きやすくなっています。単純な人違いが冤罪の原因の1つだと言えるでしょう。

たまたま痴漢被害に遭った人の近くにいただけで間違って痴漢を疑われて、そのまま駅員や警察に突き出されるようなケースです。

後で対策をお伝えしますが、ご自身で事前に痴漢を疑われないような工夫をしておく必要もあります。

被害者の証言が優先されやすい

下でご説明するように、痴漢は物的証拠が残りにくく被害者の証言が優先されやすくなってしまいます。

結果的に「この人が触りました!」という言葉がそのまま信じられて、逮捕され、長引く身柄拘束と取調べに我慢の限界を迎えてやってもいない痴漢を認めてしまうということもあり得てしまいます。

ここ最近では、繊維鑑定などの物的証拠も重要視されるようにはなってきましたが、それでも現行犯逮捕の段階では被害者の証言が優先されて痴漢冤罪も起きてしまっている現状です。

物的証拠が残りにくい

お伝えの通り物的証拠が残りにくいのが痴漢事件です。

実際に誰が触ったかどうかを第三者が判断しにくくいので、上記の通り被害者の証言が優先されるのです。

痴漢冤罪に遭わないための対策

盾

痴漢を疑われると良いことは1つもありませんが、いつ痴漢冤罪の被害者になってしまうのか分かりません。

痴漢冤罪に対する一番の対策は、痴漢を疑われるような行為をしないことが第一です。

まずは、痴漢冤罪に遭わないための対策からご紹介していきたいと思います。

満員電車などの人が多い交通機関を使わない

痴漢が起きやすい時間帯

痴漢が起きやすい場所

【参考】「こんな時間、場所がねらわれる|警視庁

上の図は、迷惑防止条例違反が起きやすい時間帯と場所を表したグラフになります。

見てわかる通り、朝の7~8時の電車内・駅構内で多く痴漢が発生していることが分かります。つまり通勤時間での交通機関(特に電車)での発生が多いということになります。

痴漢が起きやすいということは、それだけ痴漢を疑われる可能性も高くなりますので、その時間帯や場所を避けて通勤するということも1つの防御策です。

例えば、満員電車を避けて通勤時間をずらしてみたり、可能であれば電車通勤から自転車などでの通勤に変えてみたり…、方法はいくつか思い当たるはずです。

満員電車に乗ることが好きな人もいないでしょうし、痴漢冤罪の対策の1つとして満員電車を避けた通勤方法を考えてみてはいかがでしょうか?

女性の近くに立たない

痴漢被害に遭った女性の近くに立っていたが故に痴漢を疑われてしまうことになります。

通勤時間や通勤方法を変えることが難しくても、電車に乗った時に女性の近くに立たないことを意識するだけでも痴漢冤罪に遭う可能性を下げることはできるでしょう。

両手は高い位置に挙げておく

入った満員電車の中で、どうしても女性の近くになってしまったということもあるでしょう。

両手は高い位置に挙げておき、痴漢を疑われないようにしておきましょう。また、もし痴漢を疑われたとしても、自分が両手を挙げていたことを見ていた目撃者を募れば、余計な疑いが晴れるかもしれません。

片手は吊革に、もう片方はスマホを少し高い位置で操作するなど自然に両手を上げておくことは可能です。

痴漢が多い朝の満員電車に乗って、腕を低い位置に下げておくような行為は、余計な疑いを生じさせてしまう原因にもなります。

 

やってもいない痴漢で冤罪を疑われた時の対処法

ビックリマーク

上記では痴漢冤罪に遭わないための対策についてお伝えしましたが、もしそれでも痴漢冤罪に遭ってしまったというのであればどのような対処法を取れば良いのでしょうか?

こちらでは痴漢冤罪に遭ってしまった時の対処法についてお伝えしたいと思います。

自分はしていないということを訴える

もし冤罪であるならば「自分はやっていない」ということをしっかり伝えましょう。少しでも認めてしまえば後々あなたの立場が不利になります。

相手から喋らせる

相手が立っていた場所、どの駅から触られていたかなどを最初に話してもらい、聞き終わってから自分の食い違いを発言しましょう。もし自分から話してしまうと例え事実が食い違っていても被害者の女性が発言を合わせてくることがあるようです。

とにかく早く弁護士を呼ぶこと

痴漢冤罪に対する対処法は様々ありますが、実際のところ確実に正しいと言える対処法はありません。状況によっては効果的だったり、意味が無かったりします。

これだけは確実に状況は良くなるであろう対処法として、弁護士を呼ぶということが挙げられます。

弁護士を呼ぶことで、状況に応じた最適な対応を取ってくれますし、痴漢の加害者という味方が少ない状況の中でも心力強い味方になってくれます。

一番の対処法は、痴漢を疑われたらすぐに弁護士を探してその場に駆けつけてもらい、弁護士が到着するまではその場で待機することだと言えるでしょう。

数万円で現場に駆けつけてくれる弁護士もいますし、月額料金で痴漢冤罪での弁護士費用を負担してくれる弁護士保険なども登場しています。

痴漢を疑われたら弁護士を呼ぶことはとても重要な方法なのです。

その他痴漢冤罪に遭った時の対処法

弁護士を呼ぶことが一番簡単で確実な方法ではあるのですが、どうしても費用がかかってしまうって、それがネックになっている人も多いはず。

こちらでは弁護士を呼ぶ以外の痴漢冤罪に遭ってしまった時の対処法をお伝えします。

目撃者を募る

痴漢を疑われたらすぐに真犯人の痴漢行為を目撃した人や自分が痴漢をしていないことを証言してくれる目撃者を探すことも1つの方法です。

被害者の方が実際に痴漢被害に遭っていたのであれば他に犯人がいて目撃者がいるかもしれませんし、上記でお伝えした両手を上に挙げておく対策を常日頃やっていたのであれば「私は両手で吊革を持っていました!見ていた人はいませんか?」と、目撃情報を募ることもできます。

ただ、目撃者がいないことも考えられますし、いたとしても忙しい通勤時間帯、協力してくれないことも考えられます…。痴漢の疑いを晴らすことができるかもしれませんが、効果なしに終わることも考えられます。

会話を録音をしておく

痴漢冤罪に遭ったなら、その一部始終を録音しておくと後から重要な証拠として利用できる場合があります。

痴漢を疑われた時のやり取りを録音しておく行為は何かの法律違反にはなりませんし、今やスマホの機能で簡単に録音することもできるでしょう。

痴漢を疑われてもいったん冷静になって録音ボタンを押すことも考えておきましょう。

繊維鑑定をお願いする

痴漢は被害者の証言が重要視されるとはお伝えしましたが、痴漢冤罪が問題にもなっていることもあり、物的証拠での捜査もされるようになってきました。

実際に痴漢をしたのであれば、触った手などに被害者の衣服の繊維が付着しているはずなのですが、冤罪ならば付いているわけがありません。

痴漢を疑われても「私はやっていません!」と強く否定して、「今から繊維鑑定をしてください」と繊維鑑定をお願いするようにしましょう。

痴漢をしたという物的証拠が出てこなかったということは、反対に痴漢をやっていない証拠にもなり得るということです。

捜査員から自ら進んで繊維鑑定をしないケースがあります。痴漢冤罪に遭ったなら、繊維鑑定をしてもらうことを強く主張しましょう。

「名誉毀損ですよ」と反論する※状況による

痴漢を疑ってきた被害者や目撃者に対して、「私は痴漢していない。名誉毀損になりますよ!」と反論する方法もあります。

たしかに、駅などの人が多い場所でやってもいない痴漢を「この人がやった!」と公言する行為は名誉毀損にも該当しますし、被害者や目撃者の痴漢の告訴・告発を考え直すきっかけを与えるかもしれませんが、かえって相手の反感を買うことにもなりかねません。

相手の出方次第にもなりますので、強く反論する方法に確実性がある対応とは言えません。

 

痴漢を疑われた時にやってはいけないNG行為

反対に、痴漢冤罪に遭った時にやってはいけないNG例もお伝えしたいと思います。

走って逃げる

一昔前には、痴漢を「疑われたら走って逃げろ!」というようなことも言われていましたが、現在では全くもっておすすめできません。

痴漢冤罪は通勤ラッシュなどの人で込み合った時に起こりやすいので、そのような場面で逃走することで周りの人にぶつかって怪我をさせる恐れがあります(傷害罪)。また、逃亡の際線路に侵入して電車を止める事故も過去にはありました(威力業務妨害罪)。

このように痴漢はやっていなくても、逃亡の時に他の事故を起こしてしまえば犯罪を起こしてしまったことには変わらなくなります。

また、走って逃げた結果に捕まってしまえば、逃走したということで身柄拘束が長くなりやすくなり、捜査機関からも厳しく追求される可能性が高くなります。

実際に痴漢をしていないのであれば、逃げ去るよりも上記のように堂々と対応した方が良いと言えるでしょう。

「すみません」と痴漢を認めたような言動

反対に、これ以上面倒にはならないようにひとまず罪を認めてしまおうと考える方がいるかもしれません。

一度罪を認めてしまうと、そこからやっていないことを証明することはさらに難しくなります。

同様に、駅員や目撃者などから「痴漢をやっただろう!」と厳しく追及されて、つい「すみません…」という認めたような言動をすることも厳禁です。

痴漢をやっていないのであれば、「痴漢はしていません」としっかり主張して、上記のような対応を取っていきましょう。

 

痴漢冤罪で逮捕された後の流れ

痴漢冤罪でも逮捕されてしまうことはあります。

逮捕されるとどのような流れで刑事手続きが行われていくのでしょうか?逮捕後の流れやそれに対する対処法についてこちらで解説していきたいと思います。

痴漢で逮捕された後の流れ

刑事事件 流れ

まず、浮気の罪で逮捕された場合、実際に痴漢をやっていてもやっていなくても上図のような流れで刑事手続きが行われていきます。

痴漢で逮捕された後の流れについては以下の記事で詳しく書いていますので、気になる方は参考にしてみてください。

【関連記事】
痴漢で逮捕された後の流れ|逮捕後できる対処法や痴漢の刑罰は?

以下では、痴漢冤罪で逮捕された時の特徴について触れていきたいと思います。

痴漢冤罪は身柄拘束が長くなりやすい

痴漢冤罪では痴漢の罪を認めない否認事件になるかと思いますが、容疑を否認している事件では取調べなどの捜査も慎重に行われ、被疑者の身柄拘束も長くなりやすい傾向にあります。

終わりの見えない取調べについには断念して、やってもいない痴漢を認めてしまうというような事態になっている事実もあります…。

いつまでも続く取調べに途方に暮れることもあるかと思いますが、上記のように身柄拘束ができる期間は限られていますし、弁護士にしっかり相談することで先を見据えたアドバイスをもらうこともできるでしょう。

やってもいない痴漢で逮捕された上に、実際に痴漢をやった事件よりも身柄拘束が長引くことは腑に落ちないかと思いますが、決して途中で断念することなく最後まで自分は痴漢をしていないという主張を貫いていただければと思います。

接見禁止処分を受ける可能性も出てくる

さらに、否認事件ということで接見禁止処分になる可能性も出てきます。接見禁止とは、原則的に家族の方とも接見(面会)ができなくなる処分のことです。

本当に自分は痴漢をしていないということをまずはご家族などの身近な方にしっかり伝えて誤解を解いておきたいところですが、直接会うことすら許されない場合があります…。

弁護士であれば接見禁止でも接見することができますので、自分は痴漢をしておらず必死に戦っているということを弁護士を通して伝えてもらいましょう。

痴漢冤罪でも有罪になることがある

痴漢冤罪でも有罪にされてしまうこともあり得ます…。

逮捕後の厳しい状況でついには断念してやってもいない痴漢を被疑者が認めてしまったり、被害者の証言以外に有効な証拠が出てこなかったような場合です。

弁護士が付いていないことで、途中で諦めてしまいやすくなったり、証拠も提示できなかったり、有罪になってしまう可能性は高くなると言えます。

費用がかかってしまうことがまたもや腑に落ちませんが、痴漢冤罪に遭ってしまったなら弁護士に依頼して無実を主張してもらうことが一番の対処法となります。

 

痴漢冤罪で逮捕された後の対処法

こちらでは痴漢冤罪で逮捕された後の対処法についてご説明していきたいと思います。

やはりここでも弁護士を呼ぶことが重要

何度かお伝えしていますが、やはり逮捕後も弁護士を呼んで対応してもらうことが一番です。

特に痴漢冤罪では、被疑者だけでの対処は難しく、対応を間違ったことで身柄拘束が長引いたり、起訴されたりと悪い結果になる可能性も高くなると言えます。

逮捕後であれば、当番弁護士制度といって一度だけ弁護士に無料で接見してもらえる制度も使えるようになります。

決して自分だけで無実を主張していくのではなく、弁護士の力を借りるようにしてください。

いちおう補償制度もあるにはある

上記のように無料で弁護士を呼ぶ制度があるにはありますが、実際に解決に向けて弁護活動してもらうなら弁護士費用を支払って依頼する必要があります。

やってもいない痴漢で逮捕・身柄拘束された上に、弁護士費用まで自分持ちとなるととても納得できるものではありませんよね…。

刑事補償法や刑事訴訟法でいちおう補償制度はありますが、正直言うととても弁護士費用や冤罪によって受けた精神的苦痛などを補てんできる金額ではありません。

被害者が痴漢被害の嘘を付いていた場合などの悪質な場合は、被疑者を虚偽告訴罪として逆に告訴したり、身柄拘束や逮捕による失業などの損害賠償請求が認められる場合もあります。

冤罪に対する補償もいちおう用意されていますので、こちらも弁護士に相談の上どのような方法を取っていくのかを決めていっていただければと思います。

【関連記事】「冤罪での補償は少ない

痴漢冤罪で弁護士に依頼するメリット

痴漢冤罪で弁護士に依頼するメリットを解説します。

正しい対応のアドバイスをくれる

上記で痴漢冤罪に対する色々な対策はお伝えしましたが、弁護士はこれまでの経験から最適な対応とアドバイスを行ってくれます。

やってもいない痴漢を疑われるという突然の出来事に被疑者だけだと冷静な対応ができないことが多いのですが、弁護士からアドバイスをもらうことで冷静になれてきますし、今後どうやっていけば良いのかの見通しもついてくるはずです。

社会的影響が少なくなるための手助けをしてくれる

痴漢の罪で逮捕されたことにより、長期的な身柄拘束や逮捕されたことが周囲に知れ渡り社会的影響が出てくることも十分に考えられてしまいます。

捜査機関に対して早期の身柄開放を訴えかけたり、家族や会社に対してしっかり事情を説明してくれたりと、少しでも社会的影響が少なく済むようにも働きかけてくれます。

無実を主張するための弁護活動を行ってくれる

痴漢冤罪で一番大事なことは、しっかりと無実を認めてもらうことでしょう。しかし、こちらも被疑者だけではできることにも限りがあります。

弁護士が無実を証明するための証拠を集めたり、検察などの捜査官に対してしっかり無実を主張していくことで無実を認めてもらう可能性も高くなってきます。

痴漢冤罪で弁護士に依頼する際の弁護士費用相場

痴漢冤罪に遭ってしまったら弁護士に助けてもらうことが一番であるということは繰り返しお伝えさせて頂きました。

こちらでは、痴漢冤罪で弁護士に依頼するメリットや依頼した場合の弁護士費用についてもお伝えしておきたいと思います。

【関連記事】「痴漢冤罪での弁護士の役割!依頼した場合の弁護士費用と探し方

気になる弁護士費用ですが、痴漢冤罪の場合は正直言って高額になってしまいます…。一般的な痴漢事件での弁護士費用は以下の通りです。

内容 費用相場
相談料金 1時間5,000円~10,000円
(初回相談料金無料の弁護士事務所もあり)
接見費用 1回1万円~3万円
着手金 30万円前後
成功報酬 30万円前後

通常の痴漢事件であれば総額60~100万円程度が相場なのですが、冤罪を晴らす難しさもあるので金額は大きくなります。

特に成功報酬のウェイトが大きくなることが考えられ、総額100万円を超えることも覚悟しておかなくてはなりません…。

お伝えの通り冤罪に対する補償制度もあるのですが、やはりどうしても弁護士費用を賄えるほどではありません。

当番弁護士制度や弁護士の無料相談などを上手く利用しながらも弁護士とコンタクトを取って、賢く費用は抑えつつも無実を証明してもらうためにも弁護士依頼は前向きに検討していってください。

 

痴漢冤罪から身を守る痴漢冤罪に対応した弁護士保険も登場!

このように、非常に高額になってしまう痴漢冤罪での弁護士費用…。

痴漢冤罪に遭わないための対策も大事ですが、万が一に備えて弁護士費用などを補償してくれる保険に加入しておくことも1つの手です。

最後に、痴漢冤罪に対応している弁護士保険をいくつかご紹介したいと思います。

※偶発事件と一般事件

弁護士保険では『偶発事故』と『一般事件』という用語が出てきますので、簡単に解説しておきます。

偶発事故とは、今回の痴漢冤罪や交通事故などの予期せぬ出来事でトラブルになった時のことを言います。一方で一般事件とは、離婚問題や相続問題などの日頃から抱えている法律問題のことです。

男・女を守る弁護士保険|痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士費用保険

月額料金 590円
保険金
  • 弁護士費用:最高300万円
  • 賠償責任保険金:最高1,000万円
付帯サービス 痴漢冤罪ヘルプコール
対象トラブル 偶発事故のみ
その他 一般事件は年3回まで無料相談可能

痴漢冤罪に特化した弁護士費用保険として一番おすすめできるのが、ジャパン少額短期保険株式会社が提供している『男(女)を守る弁護士保険』です。

何と言っても、月額590円のお手軽価格で痴漢冤罪ヘルプコールを利用することができる点です。

痴漢を疑われたら、スマホから提携弁護士に一斉メールが送られて、弁護士から電話があります。後はこれまでにご説明したように弁護士の指示に従ってください。必要に応じて弁護士が現場に駆けつけてくれることもあります。

また、弁護士費用も最高300万円まで補償してくれて保険金も充実しています。

【公式サイト】
男を守る弁護士保険・女を守る弁護士保険|痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士費用保険

弁護士費用保険mikata

月額料金 2,980円
保険金
  • 弁護士費用:実費相当(一般事件は着手金の70%)
  • 1事案上限:300万円
付帯サービス
  • 弁護士直通ダイヤル
  • リーガルカード
対象トラブル 偶発事故・一般事件
その他 15分程度の無料相談可能

痴漢冤罪には特化していないものの、弁護士費用を負担してくれる保険では痴漢冤罪が対応されているものがほとんどです。

代表的な弁護士費用保険mikataは、月額2,980円で痴漢冤罪などの偶発事故の弁護士費用を実費相当補償してくれます。

また、弁護士直通ダイヤルから無料で弁護士に相談することも可能。リーガルカードは、弁護士費用保険に加入していることを証明するもので、事件に巻き込まれた時に提示することで、こちらには弁護士が付いているということをアピールすることができます。

ただ、上記の男を守る弁護士保険に比べると月額料金も高いため、痴漢冤罪だけに限定するのであれば、そこまでおすすめはできません。他にも法律問題で心配事がある方は検討してみてください。

【公式サイト】
弁護士費用保険mikata

弁護士保険コモン

月額料金 2,200円
保険金
  • 弁護士費用:着手金の70%
  • 1事案上限:200万円
付帯サービス 痴漢冤罪ヘルプナビ
対象トラブル 偶発事故・一般事件
その他 20分の無料相談可能

上の弁護士費用保険mikataに近い保険が、弁護士保険コモンです。

mikataよりも保険料は安いのですが、弁護士費用に対する補償が少し物足りません…。一方で、痴漢冤罪ヘルプナビでは、電話での無料相談に加えて48時間以内の弁護士への相談料や接見費用を負担してくれます。

こちらも痴漢冤罪だけで考えると、男を守る弁護士保険よりも保険料は高くて補償やサポートも物足りないでしょう。

【公式サイト】
弁護士保険コモン

痴漢冤罪顧問弁護士 緊急ダイヤル|ベリーベスト法律事務所

月額料金 980円
特典 弁護士費用:20%OFF( 1年以上契約者限定)
付帯サービス
  • 無料電話相談
  • 無料で現場に駆けつけ
  • 弁護士の名前入り名刺

弁護士保険とは違うのですが、弁護士事務所が月額料金で痴漢冤罪に対応してくれるプランもあります。

弁護士法人のベリーベスト法律事務所では、月額料金980円で無料相談・無料で現場に駆けつけ・弁護士の名前入り名刺が貰えます。

ただ、保険ではないので、弁護士に依頼した場合に弁護士費用を補償してくれるものではないことに注意です。

こちらも男を守る弁護士保険に比べると、金額に対して補償は少し物足りないのかなという印象があります。

いずれにしても、月額1,000円程度の弁護士保険や弁護士事務所の月額プランなどが用意されていますので、痴漢冤罪に対応すべく加入を検討してみても良いかと思います。

【公式サイト】
痴漢冤罪顧問弁護士 緊急ダイヤル|ベリーベスト法律事務所

 

まとめ

身近な犯罪で、何かと話題になりやすい痴漢事件ですが、それと同様に痴漢冤罪も起きやすくなってしまっているのが現状です。

一番は痴漢冤罪に遭わないための対策を常日頃から行っておくことです。

それでも痴漢冤罪に遭ってしまったという方は、弁護士を呼んで適切なアドバイスをもらうことが一番だと言えるでしょう。

いざという時に保存しておくのがオススメ
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