夫が痴漢で逮捕されるとどうなる?逮捕後の流れと対処法

夫が痴漢で逮捕されてしまったという方は、夫が今後どうなっていき、どのような対応を取れば良いのかが心配になってしまいますよね。

逮捕された後の身柄拘束も当然ですが、夫は働いているので会社での処遇がどうなるか不安という方も多いと思います。

痴漢事件の内容によっては数日で身柄解放されて社会復帰ができる場合もありますので、夫が痴漢で逮捕されたのであれば、迅速に弁護士に相談して適正な対応を取ることをおすすめします。

今回は、夫が痴漢で逮捕されたことによる影響や逮捕後の流れ、家族の方ができる対処法などについてご説明を行っていきたいと思います。

 

 

目次

夫が痴漢で逮捕されたことによる影響

夫が痴漢で逮捕されて一番気になることは、やはり逮捕されたことによってどのような影響が出てくるか?ということですね。

まずは、夫が痴漢で逮捕されたことによる影響からまとめてみたいと思います。

痴漢で逮捕されると何罪?

『痴漢罪』という罪名はありません。痴漢で逮捕された場合、

  • 迷惑防止条例違反
  • 強制わいせつ罪

いずれかの罪名で刑事手続きが行われていくことになるでしょう。2つの罪は主に痴漢内容の程度の違いや被害者の年齢などで違ってくることになります。

【関連記事】
痴漢で逮捕されると何罪?罰則の重さと逮捕された後の流れや拘束期間

迷惑防止条例違反|6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金

服の上から被害者の体を触るなどの痴漢行為は、迷惑防止条例違反が問われる可能性が高いです。迷惑防止条例は各都道府県で若干違いますが、違反すると東京都の場合【6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金】の罰則があります。

また、痴漢行為に常習性がある場合【1年以下の懲役または100万円以下の罰金】にまで刑罰も重くなります。

強制わいせつ罪|6ヶ月以上10年未満の懲役

被害者の下着の中にまで手を入れて性器を直接触るなどの悪質な痴漢行為には、強制わいせつ罪が問われる可能性が高いです。また、被害者の年齢が13歳未満だった場合にも、痴漢行為の程度に限らず強制わいせつ罪となります。

強制わいせつ罪での刑事罰は【6ヶ月以上10年未満の懲役】と、かなり重い罰則が用意されています。

会社に逮捕事実を連絡されることは少ない

会社外での痴漢行為で警察から会社に連絡されるということは基本的にはありません。ですので、会社に逮捕事実を知られるということを過度に心配する必要はありません。

ただし、逮捕されることで身柄拘束が続きます。数日で釈放されるのであれば、「体調不良」などの理由で誤魔化すことができるかもしれませんが、身柄拘束が長引くことで会社から事実を知られる可能性は高くなっていきます。

逮捕後はすぐに対応を取って、少しでも早く身柄拘束などをしてもらうように働きかけましょう。対処法については後述します。

逮捕後いつまで身柄拘束されるのか?

となると、気になることがいつまで身柄拘束が続くのか?ということです。

身柄拘束の期間は、事件内容や被疑者の状態にもよりますのでケースバイケースとはなりますが、同居するご家族がおられて会社でも働いているという状態であれば、身柄解放しても逃亡する可能性は低いと判断されて早期の釈放の可能性も高くなるでしょう。

ただし、逮捕された夫が嘘を付いて痴漢の事実を認めないなどの対応を間違ってしまうと、捜査が慎重に行われて身柄拘束も長引くことも考えられます。

重要なことは、逮捕後すぐに弁護士を呼んで具体的なアドバイスを夫にしてもらうことです。こちらも後ほどご説明させていただきます。

身柄拘束が長引けば社会影響も大きくなる

先ほどもお伝えしたように、身柄拘束が長くなることによって会社から痴漢で逮捕されたという事実を知られてしまう可能性も高くなります。

少しでも早く対応することで、早期釈放に向けて働きかけることもできます。不当に身柄拘束が長引いている場合は、弁護士に依頼して早期釈放を訴えることもできます。

逮捕後すぐは面会が難しい

夫が逮捕された直後こそ直接面会して事情を聞いたり様子を伺いたいものですね。しかし、逮捕後72時間以内は原則的にご家族の方でも面会することができません。

弁護士であれば面会可能

一方で、弁護士であれば逮捕後すぐに面会(接見)をすることが可能です。逮捕後は当然夫に電話で連絡することもできませんので、唯一夫と連絡を取る手段にもなりますし、夫に対して今後の対応をアドバイスしてくれます。

逮捕後は当番弁護士制度で1度だけ無料で弁護士を呼ぶこともできます。ぜひ弁護士の接見は前向きに検討してみてください。

【関連記事】
接見・逮捕時の面会を弁護士に依頼する7つのメリット【費用や無料制度も解説】

痴漢で逮捕された後の流れ

こちらでは、夫が痴漢で逮捕された後の流れについてご説明していきます。

刑事事件 流れ

まず、逮捕後の流れ全体を簡単に図解で表すと上図のようになります。こちらの記事では重要なポイントだけを解説していきますので、より詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。

【関連記事】
痴漢で逮捕された後の流れ|逮捕後できる対処法や痴漢の刑罰は?

捜査機関からの捜査

夫が逮捕されると、警察→検察と捜査を受けていくことになります。痴漢での捜査では、主に取調べが行われることになりますが、逮捕された被疑者が曖昧な供述をしたり、罪を認めないことで取調べも長引くことになります。

ただ、それぞれの捜査には期限が設けられていますので、無期限でいつまでも捜査がされ続けるということはありません。

警察での捜査は逮捕後48時間。検察での捜査は逮捕後72時間までと決まっています。もし、それ以上に身柄拘束と捜査が必要だと判断された場合には、以下の勾留に移ることになります。

勾留期間と勾留の要件

さらに捜査と身柄拘束が必要な場合、検察は裁判官に勾留請求を行い、それが認められることで勾留されることとなります。

勾留期間は10日間となっていますが、さらに勾留が必要と判断された場合のみ勾留延長によってさらに10日間身柄拘束がされます。すなわち、勾留期間の最長は20日間となります。

勾留が認められるためには要件があり、

  1. 住居が決まっていない
  2. 証拠隠滅のおそれがある
  3. 逃亡のおそれがある

いずれかに該当しなければ勾留されることも少ないでしょう。

特に結婚されていてご家族と同居しているのであれば、①と③は考えられにくいので、被疑者が罪を認めていない事件か、痴漢内容が悪質で強制わいせつ罪に問われているような事件でもない限り勾留までされる可能性は低いとも考えられます。

【関連記事】
勾留される要件

起訴・不起訴の分かれ目

逮捕された後は、起訴・不起訴の分かれ目が重要になります。

起訴とは検察が裁判官に対して刑事裁判の提訴をすることです。刑事裁判の有罪率は99.9%となっており、実質的には有罪となります。

不起訴とは反対に起訴されないことで、こちらは実質的な無罪となります。被疑者の身柄も解放されて今までの生活に戻ります。逮捕されたことによって前歴は付いていますが、前科は付きません。

ここまでご説明した、警察・検察の捜査と勾留期間の最長を合計した、最長23日間が起訴・不起訴のリミットとなります。

夫が逮捕されたのであれば、少しでも早く不起訴や身柄解放を目指した対応を取っていく必要があるのです。

痴漢で逮捕された夫を少しでも早く社会復帰させる方法

ポイント イメージ画像

夫が痴漢で逮捕されてしまったのであれば、少しでも早く対処していく必要があるとお伝えしました。

それでは、実際にどのような方法を取れば良いのでしょうか?

こちらでは、夫が痴漢で逮捕された時にご家族の方ができる対処法についてご説明していきたいと思います。

大前提として弁護士にお願いすること

弁護士に依頼した場合はどうしても弁護士費用がかかってきてしまうので、何とかして自分たちだけで対応したいとも考えるかと思います。

しかし、大前提として知っておいて欲しいことが、刑事手続きへの対応には高い専門知識や難しい手続きが必要になってきます。

自分たちだけで対応しようとしてしまったことで、結果的に時間がかかってしまったり、間違った対応をしてしまうことも十分に考えられます。

刑事事件では、逮捕後に弁護士費用を抑えられる当番弁護士制度や国選弁護人制度などもありますので、基本的には弁護士に対応をお願いして、ご家族の方はサポートに回るスタンスで応じていただければと思います。

相談だけであれば無料で受けてくれる弁護士も多くありますので、まずは弁護士に相談だけでもすることを強くおすすめします。

【関連記事】
痴漢で逮捕された時の弁護士の重要性と弁護士選びのポイント
痴漢事件の弁護士費用相場と賢く弁護士費用を抑えるコツ

夫に弁護士から直接アドバイスを受けてもらう

ご家族の方がこのような記事で情報を得たとしても、実際に警察などから取調べを受けるのは逮捕された夫です。

逮捕された夫に適切な対応を取ってもらうためにも、逮捕後すぐに弁護士に接見してもらい適切なアドバイスを受けてもらうことをおすすめします。

ここまで何度かお伝えしてきたように、逮捕後であれば1度だけ無料で当番弁護士を呼ぶこともできます。

身柄拘束を解いてもらう

逮捕後の流れの部分でもご説明しましたが、勾留されるには勾留要件に該当している必要があります。

もしも勾留要件に当てはまらずに不当に身柄拘束が長引いているようでしたら、勾留を認めた裁判官に対して異議申立て(準抗告)を行うことも可能です。

ただ、こちらも刑事事件の知識が無い方が自分だけで行うにはハードルが高すぎます。裁判官への準抗告も弁護士を通して行うことが普通です。

被害者と示談を行う

被害者がいる痴漢事件では、被害者の方との示談交渉がとても重要になります。

もし示談が成立したのであれば、早期釈放や不起訴獲得など良い結果になる大きな要因となります。

ただし、刑事事件において、被害者との示談交渉も基本的には弁護士を介して行う必要があります。

被害者感情を考えてもらうと想像ができるかと思いますが、まず痴漢をされた本人からの示談は何をされるか分からない恐怖で簡単には会ってすらくれないでしょう。

そして、たとえご家族の方からの示談であっても、簡単には許せない感情もありますし、お互いに交渉事に慣れていないので、簡単に問題解決にまで至らないことも十分に考えられます。

弁護士に依頼することで、被害者の方も示談には応じてくれやすくなりますし、弁護士なら交渉の経験も豊富ですので、刑事事件で有効になるような示談での解決方法も目指してくれます。

【関連記事】
痴漢の示談を弁護士に依頼する必要性・メリットと痴漢事件が得意な弁護士の選び方
痴漢の示談金は30万円が相場|示談金額が決まるポイントと支払い方法も解説

まとめ

夫が痴漢で逮捕されてしまった場合、事件によっては数日で身柄解放されることもありますが、長引けば数週間かかってしまうこともあります。

長期間の身柄拘束が続けば、会社など社会生活に徐々に影響が出てきますので、逮捕後すぐに対応をするようにしてください。

ただし、刑事事件ではご家族の方だけではできることも限られてしまいます。基本的には弁護士に相談・依頼をして代わりに対応してもらうことも検討してください。

無料相談や無料で接見をしてくれる弁護士もいますので、まずは一度弁護士を探してみることをおすすめします。

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