痴漢で逮捕されると何罪?罰則の重さと逮捕された後の流れや拘束期間

痴漢 イメージ 痴漢・わいせつで逮捕されたら

痴漢は日常生活でも遭遇しやすい犯罪ではありますが、『痴漢罪』というものはありません。

痴漢をして逮捕された人は、『迷惑防止条例違反』『強制わいせつ罪』いずれかの罪で刑事手続きが進められていくことになります。

今回は、どのような行為が痴漢の罪となり、逮捕された場合はどのような流れで罰則を受けていくのか?その中で逮捕された人はどう対処すれば良いのかをお伝えしいていきたいと思います。

 

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痴漢で問われる罪の種類と罰則

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早速ですが、痴漢に関する罪と罰についてお伝えしていきたいと思います。

冒頭でもお伝えしたように、痴漢に『痴漢罪』というものは無く、『迷惑防止条例違反』か『強制わいせつ罪』のいずれかで逮捕や罰則を受けることになります。

迷惑防止条例違反

迷惑防止条例とは、各都道府県が定めた迷惑行為を防止する条例で、その中で痴漢行為も禁止されています。

東京都の場合、

公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人 の身体に触れること。

が禁止されています。

迷惑防止条例違反の罰則

迷惑防止条例での痴漢に対する罰則は、

常習性なし 6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
常習性あり 1年以下の懲役または100万円以下の罰金

となっています。

『迷惑防止条例』という名称から、そこまで重い罪ではないと思うかもしれませんが、痴漢行為には懲役まで用意されている立派な犯罪であるということは認識しておいてください。

強制わいせつ罪

さらに、痴漢行為の内容や対象によっては強制わいせつ罪に問われることもあり、さらに罰則が重くなります。

強制わいせつ罪は、暴行や脅迫を用いてわいせつな行為をする犯罪です。また、13歳未満の相手に対してわいせつ行為をした場合は、暴力や脅迫を用いていなくても強制わいせつ罪が成立します。

悪質な痴漢行為や被害者が13歳未満の痴漢では、強制わいせつ罪として逮捕され、上記の迷惑防止条例よりもさらに重い罰則を受けることになります。

強制わいせつ罪の罰則

強制わいせつ罪の罰則は、

6ヶ月以上10年未満の懲役刑

と、懲役刑しか用意されていません。

強制わいせつ罪で逮捕されてしまうと、長い身柄拘束され、場合によっては実刑判決で刑務所に収監される可能性も高くなるのです。

迷惑防止条例違反と強制わいせつ罪の違い

痴漢は迷惑防止条例違反と強制わいせつ罪のいずれかの罪に該当するということはお伝えしましたが、どのような痴漢行為が迷惑防止条例違反になり、どのような痴漢行為は強制わいせつ罪になるのでしょうか?

具体的な内容によって違ってきますので一概には言えませんが、以下のような内容です迷惑防止条例違反と強制わいせつ罪どちらの罪に問われるかが分かれてきます。

痴漢の程度

迷惑防止条例の条文にあったように、衣類の上から身体を触る行為だと迷惑防止条例違反になる可能性が高いです。

しかし、下着の中にまで手を入れて性器などを触る行為にまで及ぶと強制わいせつ罪に問われる可能性も高くなります。

また相手が抵抗できない状況での痴漢行為も暴力や脅迫を用いてわいせつ行為をしていると考えられますので、強制わいせつ罪に該当する可能性が高いです。

被害者の年齢

強制わいせつ罪では、13歳未満に対するわいせつ行為は暴力や脅迫を用いらなくとも成立します。

被害者が13歳未満だった痴漢事件では、高い確率で強制わいせつ罪による罰則を受けることになるでしょう。

痴漢の罪で逮捕された後の流れ

こちらでは、痴漢の罪に問われて逮捕された後の刑事手続きの流れについてご説明していきたいと思います。

上記で痴漢は迷惑防止条例違反か強制わいせつ罪いずれかの罪に問われるとお伝えしましたが、どちらの罪に問われても同じような流れと決まった期間で手続きが行われていきます。

こちらでは簡単な流れについてお伝えしますので、詳しく知りたいという方は、以下の記事も参考になると思います。

【関連記事】
痴漢で逮捕された後の流れ|逮捕後できる対処法や痴漢の刑罰は?

刑事事件 流れ

まず、痴漢の罪で逮捕された時の全体的な流れは上記の通りです。以下で詳しくご説明します。

逮捕・警察での取調べ

まず、痴漢で逮捕されると警察からの取調べが行われます。

警察からの捜査は48時間以内と決まっており、その間に被疑者に対して取調べなどが行われます。

実際に痴漢をしたのであれば、素直に罪を認めてしっかり反省を示すことが最善の方法だと言えます。

逮捕後すぐに、当番弁護士を呼んで1度だけ無料で接見してもらうこともできますので、直接適切なアドバイスをもらうようにしましょう。

送検・検察での取調べ

警察からの取調べが終わると、被疑者の身柄は検察に移され(送致や送検と言います)、今度は検察から取調べなどを受けることになります。

検察からの捜査は24時間以内と決められており、逮捕から検察の捜査が終了するまでの72時間は家族の方であっても原則的に面会することができません。

弁護士であればこの期間でも面会することができますので、ご自身で弁護士を探すか当番弁護士制度を利用するなどして被疑者と連絡を取り合いましょう。

勾留と勾留延長

検察からの捜査の結果、さらに捜査が必要であったり、逃亡の恐れなどで身柄拘束の必要があると判断されれば、勾留によってさらに身柄拘束が長引くことも考えられます。

勾留期間は、基本的に最大10日間ですが、さらに勾留が必要だと判断された場合に限って、勾留延長によって追加で10日間、つまり最大で20日間の勾留期間があります。

迷惑防止条例違反の罪に問われている痴漢事件では、被疑者が素直に罪を認めていれば、身柄拘束が長くなることも少なく、勾留までされない可能性も高いです。

一方で、強制わいせつ罪で逮捕されているような痴漢事件や、容疑を認めていない事件では身柄拘束も長くなりがちです。

起訴・不起訴

検察からの捜査の結果、起訴・不起訴の判断がされますが、刑事事件においてこの起訴・不起訴の分岐点が重要になってきます。

起訴されると刑事裁判を受けることになりますが、刑事裁判での有罪率は99.9%なので、実際は何かしらの罰則を受けることになるといっても過言ではないでしょう。

一方で、不起訴とは起訴されないことで、それ以上の罪に問われることはありません。

実際に痴漢をやっていたとしても不起訴処分になることも十分あり得ます。例えば、被害者との示談が済んでおり、これ以上の罰則は与えなくても良いと判断されれば不起訴になる可能性もあります。

ですので、この起訴・不起訴の分岐点(逮捕から最大23日間)までにスピーディーに適切な対処をしていくことが重要になります。

身柄拘束されずに起訴されることも

迷惑防止条例違反に該当する痴漢事件では、勾留などによって身柄拘束されずに起訴されることもあります。

略式起訴といい、書面で起訴と罰則(ほとんどが罰金刑)が言い渡されることです。前科は付き罰金も支払うことになりますが、拘束される期間が短くなるので、社会復帰がしやすいなどのメリットもあります。

略式起訴で身柄開放を目指すという方法もありますので、逮捕後は弁護士と相談してどのような対処をしていくことがベストなのかのアドバイスをもらうと良いでしょう。

刑事裁判

略式起訴ではない通常の起訴を受けた場合、刑事裁判が行われますが、刑事裁判まで身柄拘束が続くことが通常です。

裁判所の込み具合にもよりますが、起訴から刑事裁判まで約1~2ヶ月ほどあります。その間身柄拘束が続くと、スムーズな社会復帰もかなり難しいものになるでしょう。

保釈制度によって裁判までの間身柄開放してもらえる制度もあります。

強制わいせつ罪に該当するような痴漢の罪では身柄拘束も長引くことが考えられます。

痴漢の罪で逮捕された後の対処法

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上記のような流れで進められていく痴漢事件での刑事手続き。その中でどのような対処法が取れるのでしょうか?こちらでは痴漢の罪で逮捕された後の対処法について解説していきたいと思います。

しっかり反省することが重要

まず、何よりも大事なことが逮捕されてしまった被疑者本人がしっかりと反省することです。

罪を認めずに言い逃ればかりしようとしていると、そのことは捜査機関にも伝わり身柄拘束が長引いたり、罰則が重くなる要因となります。

実際に痴漢をしているのであれば、しっかりと罪を認めて反省する。これが一番大事です。

弁護士から適切なアドバイスをもらう

逮捕されてすぐの状態だと、何をどうすれば良いのかも分からないでしょうし、具体的にどう対処したほうがベストなのかも事件内容によって変わります。

弁護士と直接面会を行い、より具体的なアドバイスと対処法を教わることをおすすめします。

後で無料で弁護士を呼べる制度もご紹介しますので、ぜひ有効に利用してください。

被害者との示談

痴漢事件において、最も効果的な解決方法の1つが被害者との示談です。示談とは、被害者に謝罪と示談金の賠償を行い、罪と起こしたことを許してもらうことです。

示談が成立することによって、これ以上罰を与える必要もないと判断され、不起訴処分を受ける可能性も高くなってきます。

ただ、当事者同士の示談は示談が上手くまとまらなかったり、そもそも被害者が示談に応じてくれないことがありますので、弁護士を介して行うことが一般的です。

【関連記事】
痴漢の示談金は30万円が相場|示談金額が決まるポイントと支払い方法も解説

早期身柄開放の主張

本来、勾留されるには逃亡の恐れがあるなど、何かしらの理由がなければなりません。

正当な理由なく身柄拘束が続いているようであれば、早期に身柄開放してもらえるように主張して早めに身柄開放してもらうこともスムーズに社会復帰するための1つの方法です。

準抗告(抗告)を行って、裁判官に対して不服申し立てを行うのですが、こちらも通常は弁護士が行います。

不起訴獲得

上記でもお伝えしましたが、不起訴獲得は刑事手続きにおける重要な分岐点です。

示談交渉やしっかりした深い反省を行うことで不起訴を獲得できる可能性は高まります。

事件の内容によって、どのような方法を取れば不起訴獲得に繋がるかも変わってきますので、やはり弁護士に直接アドバイスをもらうことがベストでしょう。

執行猶予付き判決の弁護

強制わいせつ罪に該当するような痴漢の場合、簡単に身柄拘束や不起訴獲得が貰えるものではありません。

さらに強制わいせつ罪の法定刑には、懲役刑しかありません。強制わいせつ罪で逮捕された場合は、不起訴を目指すことも1つの方法ですが、刑事裁判で執行猶予付き判決を獲得することも大事になります。

執行猶予付き判決とは、懲役刑は言い渡されるものの、執行猶予につき一定期間犯罪を起こさなければ通常通りの生活を送ることができる判決です。

逮捕された後にいきなり刑務所に収監されるわけではなく、いったん社会復帰ができますので、社会的影響もそこまで甚大ではなくなります。

痴漢事件で弁護士に依頼する場合の弁護士費用

このように、痴漢の罪で逮捕された後は弁護士の存在が重要になってきます。しかし、弁護士に弁護活動を依頼するとなると、やはり弁護士費用が必要になってきます。

痴漢事件での弁護士費用の相場は60万円~100万円程度となっています。

内容 費用相場
相談料金 1時間5,000円~10,000円
(初回相談料金無料の弁護士事務所もあり)
接見費用 1回1万円~3万円
着手金 30万円前後
成功報酬 30万円前後

決して安い金額ではありませんが、少しでも早く社会復帰を行い、社会影響少なくするためには弁護士の存在が必要になってきますので、前向きに検討してみてください。

弁護士事務所によっては無料相談を行っているところも増えてきていますので、まずは相談だけでもしてアドバイスを貰ってみても良いかと思います。

【関連記事】
痴漢で逮捕された時の弁護士の重要性と弁護士選びのポイント
痴漢事件の弁護士費用相場と賢く弁護士費用を抑えるコツ

逮捕後に無料で弁護士を呼べる制度

「どう頑張っても数十万円する弁護士費用を捻出することは難しい…」という方も少なくないと思います。

そのような費用面で弁護士依頼が難しい方のために、逮捕後に無料で弁護士を呼んだり依頼できる制度があります。

【関連記事】
国選弁護人と私選弁護人と当番弁護士の違い

当番弁護士制度

当番弁護士とは、逮捕後に1度だけ無料で弁護士と接見(面会)してもらえる制度です。

接見することで逮捕後の具体的な流れや対策などをアドバイスしてもらえますので、被疑者もかなり気分的に安心できるでしょう。

また、逮捕から72時間以内は、原則的に家族の方でも面会できませんので、双方の状況を伝えてくれる役割も果たしてくれます。

逮捕後であればいつでも利用できますので、まずは当番弁護士を呼ぶということは頭に入れておきましょう。

国選弁護人制度

国選弁護人は、弁護士費用が支払えないような方に対して、国が弁護士費用を負担して弁護士を派遣してくれる制度です。

国選弁護人が選任されるのは勾留後からに限定されますが、数十万円する弁護士費用が無料になることは非常に大きいメリットですね。

いちおう費用負担ができない人のための制度なので、資産の確認(ヒアリング程度)はありますが、実際は形骸化されています。ただ、自分たちで弁護士費用が支払えると判断されれば、国選弁護人ではなく自分で弁護士費用を支払って私選弁護人を呼ぶこともあります。

繰り返しますが、国選弁護人を呼べるのは勾留が決まった後。逮捕から少し時間が経っていますので、最善の手を打ちたいのであれば、逮捕前~逮捕直後から弁護士に依頼した方が良いでしょう。

まとめ

痴漢で逮捕されると、

  • 迷惑防止条例違反
  • 強制わいせつ罪

いずれかの罪で刑事手続きが進められていくことになります。どちらの罪で逮捕されても、決められた流れで刑事手続きが行われていきますが、重い罪である強制わいせつ罪の方が刑罰は重くなり身柄拘束の期間も長くなるでしょう。

痴漢の罪で逮捕されたのであれば、少しでも早く弁護士にアドバイスをもらうなどして対処していくことが大事になります。

当番弁護士制度や国選弁護人制度など、無料で弁護士を呼べる制度もありますので、何もしないという対応はせずに、まずは弁護士に相談するようにしてください。

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刑事事件では、起訴されると99.9%の確率で有罪になります。逮捕後72時間で自由に面会しておきたい。起訴までの23日間以内に迅速な対応をしたい。不起訴の可能性を少しでも上げたい。逮捕されても早い対応ができれば、不当な扱い、重すぎる判決、前科を回避できる可能性が高まります。