比較的に軽微な犯罪でもある盗撮ですが、当然逮捕されれば身柄を拘束されますし、何かしらの罰則を受けることになります。
逮捕されたことによって罰則を受ける必要や社会的影響も出てくるわけですが、弁護士に依頼することで少しでも影響を少なくして社会復帰をすることができます。
今回は、盗撮で逮捕されてしまった方がどのような影響を受けて、弁護士に依頼することでどのようにして解決していけるのかをお伝えしていきたいと思います。
また、実際に弁護士に依頼するとなった時の弁護士の選び方や費用の相場なども一緒にお伝えしていきたいと思います。
盗撮で逮捕された時に弁護士に相談する6つのメリット
盗撮で逮捕されてしまった場合はこのようにして解決させていくのですが、やはり弁護士がいることで上手くいきやすくなるでしょうし、弁護士にしかできないこともあります。
盗撮で逮捕された時に弁護士に依頼するメリットをご紹介します。
具体的な解決策を提示してくれて安心できる
具体的にどのような方法を取っていくのが最適かは、事件の内容や逮捕された状況によって違います。
弁護士に相談・依頼することで、具体的な解決策を提示してもらえます。
突然の逮捕で今後どうなっていくか分からない状況で、弁護士という味方が今後の具体的な話をしてくれるだけでも大きな心の支えになります。
当人同士ではできない示談交渉を行ってくれる
被害者がいる事件では、示談交渉で解決させる方法はかなり効果的です。
しかし、盗撮をした本人やその身内から示談を求められても、被害者からしてみれば不愉快でしょうし、そもそも捜査機関が被害者の連絡先を教えてくれません。
弁護士であれば、被害者とも接触を取ることができますし、これまでの経験で交渉事にも精通していますので、示談が成立する可能性も高くなります。
最善の解決に繋がる可能性が高まる
長い人生の中でも、自分や身内が逮捕されるようなことはそう何度も無いでしょう。
逮捕後どのようにしていけば良いのかは当然分からないでしょうし、裁判官への準抗告や示談書の書き方にも刑事訴訟法に沿った正式なやり方があります。
弁護士であれば、当然逮捕後の正しい対処法は習得していますし、示談交渉だってこれまでの経験で落としどころを把握しています。
弁護士に依頼することで、少しでも良い解決へと導いてくれることでしょう。
それでは、上でお伝えした刑事罰や社会的な影響を少しでも最小限にするために、逮捕後にどのような弁護活動をしていくことができるのでしょうか?
早期の身柄開放
身柄拘束の期間が長くなれば長くなるほど社会的影響が大きくなると言えるでしょう。
まずできることが、早期の身柄開放を訴えていくことです。
逮捕された本人が反省しており身元もしっかりしているのに、特に訳もなく身柄拘束が続いているようでしたら、すぐに釈放してもらうために裁判官に訴えます。
弁護士であれば、準抗告といって刑事訴訟法にしっかり則ったやり方で釈放するように働きかけます。
不起訴の獲得
不起訴になれば、刑事罰を受けなくてよいことになります。そして、実際に盗撮をしていたとしても不起訴処分を受けることがあります。
出来心といいますか、1回だけの盗撮のような軽微なものだったり、被害者と示談が済んでいるような場合でしたら、検察から不起訴処分を貰える可能性もあるのです。
事件の状況から不起訴獲得も可能であれば、不起訴獲得のために弁護士が最善を尽くしてくれます。
被害者との示談
上記の不起訴獲得の重要な要素の1つに、被害者との示談があります。
示談とは簡単に言うと、被害者がいる事件で加害者が被害者に対して示談金によって謝るということです。示談が成立しているといことで、加害者本人も反省しており被害者も少なからず許しているという判断ができますので、それがそのまま刑罰の軽減や不起訴獲得に繋がる大きな要素です。
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盗撮で逮捕された時の罰則
まず、盗撮で逮捕されてしまうと、何罪で逮捕されて、どのような罰則があるのでしょうか?
盗撮罪という罪名は刑法にはありません。盗撮されると、盗撮した場所や内容によって、
- 迷惑防止条例違反
- 軽犯罪法違反
- 住居侵入罪
- 児童ポルノ法違反
いずれかの罪に問われる可能性があります。それぞれどのような内容が該当してどれほどの刑事罰があるのかをご説明します。
迷惑防止条例違反
駅や公衆トイレなど、公共の場所で盗撮をした場合、基本的に各都道府県の迷惑防止条例に反することになります。
都道府県によって罰則が違いますが、東京都の場合、
常習性なし | 1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
常習性あり | 2年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
となっています。
公共の場所とは言いましたが、2018年の条例改正によって東京都では、住居や学校、会社などでの盗撮行為も迷惑防止条例違反に該当するようになりました。
軽犯罪法違反
公共の場所以外で盗撮をした場合、基本的には軽犯罪法違反になります。
罰則は拘留または科料と比較的に軽いものですが、犯罪行為であることには違いありません。
|
住居侵入罪
公共の場所以外は軽犯罪法違反になりますが、例えば他人の家の敷地に勝手に入って盗撮をした場合などは住居侵入罪に問われる可能性もあります。
住居侵入罪の罰則は3年以下の懲役または10万円以下の罰金です。
児童ポルノ法違反
場所が公共かどうかは関係なく、18歳未満の児童の裸などを盗撮した場合、児童ポルノ法違反に該当するケースもあります。
児童ポルノ法違反の罰則は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金となっています。
盗撮で逮捕されることによる社会的影響とは
盗撮に対する法律で決められた罰則は上の通りですが、逮捕されたということによる影響は刑事罰だけではありません。
罰則以外の社会的影響についてもお伝えしておきましょう。
身柄を拘束されることによる影響
逮捕された人がしっかり反省しており身元もしっかり確認できるようであれば、盗撮で逮捕されても比較的早めに身柄開放されることも多いです。
しかし、身柄拘束され続けるのであれば、その後決められた刑事手続きが取られていき、起訴・不起訴まで最長23日間刑事施設にいなければならないこともあります。
突然の逮捕で家や会社に行けないということだけでも何かしらの影響は出てくるでしょうが、さらにその期間が1ヵ月近くにまで伸びてしまえば、その影響はかなり大きなものになってくるだろうということは簡単に想像が付くと思います。
家族や会社への影響
逮捕によって数日~数週間社会から切り離されることによって、それまで生活を送っていた会社や家族など周りの人たちに盗撮で逮捕されたということが発覚する可能性が高くなります。
逮捕されたということによって具体的にどのような処遇になるかは当事者同士次第ですが、会社であれば降格や減給、場合によっては解雇される可能性も否定できません。
過程であれば最悪のケースでは離婚のきっかけにもなり得ます。
仮に上のような処遇を受けなくても、知られた人との関係性が悪くなることは十分に考えられるでしょう。
盗撮で逮捕された場合の弁護士費用相場
弁護士に依頼するとなると、やはり一番気になるのが弁護士費用でしょう。
最後に、盗撮で逮捕されてしまった時の弁護士費用の相場についてお伝えしていきたいと思います。
なお、こちらでお伝えする金額はあくまでも相場です。具体的な金額は、依頼を検討している弁護士事務所に必ず事前に確認を取っておくようにしましょう。
まず、盗撮事件で合計にかかる弁護士をまとめると相場で60~100万円前後になります。細かい内訳と金額に分けると以下のようになります。
内容 | 費用相場 |
相談料 | 1時間5,000~10,000円 (相談料金無料の弁護士もあり) |
接見費用 | 1回1~5万円 |
着手金 | 30万円前後 |
成功報酬 | 30万円前後 |
それではそれぞれどのような内容でいくらくらいなのかを詳しくご説明したいと思います。
相談料金
相談料金は、弁護士に依頼する前の相談に対してかかる料金です。
相談方法は、電話や弁護士事務所に直接行く面会などがあり、時間ごとに料金を設定している弁護士事務所が多いです。相場としては1時間あたり5,000~10,000円です。
ただ、最近では窓口を広げるために初回相談料金を無料にしている弁護士事務所も増えています。
まずは相談前に確認しておくと良いでしょう。
接見費用
接見費用は、刑事施設に身柄を拘束されている被疑者のもとに弁護士が面会に行く時(接見)の費用です。
こちらも1回あたりで料金が決められていることが多く、1回につき1~5万円程度です。
依頼している状況なら接見費用が下の着手金に含まれているなど、事務所のプランや状況によって変わりますので、しっかりチェックしておきましょう。
着手金
弁護士に依頼するとなると着手金という依頼料がかかります。盗撮事件での着手金の相場は30万円前後となっています。
こちらは、依頼することで発生する料金になりますので、仮に弁護士に依頼して望まぬ結果(不起訴にできなかったなど)になったとしても着手金はそのまま支払います。
着手金に関しては、接見費用や実費などを含んでいる場合とそうでない場合や着手金は少ないけど成功報酬の金額が大きいなど、事務所によって料金設定が違います。
金額も大きくなりますので、依頼前にはしっかり確認しておきましょう。
成功報酬
『不起訴を獲得したい』『被害者と示談成立したい』など、何かの目的を達成した時に弁護士に支払う費用です。成功報酬の相場も30万円前後となっています。
成功報酬も事務所によって違いますので要確認ですね。
その他の費用
以上が逮捕された時の基本的な弁護士費用の相場ですが、他にも費用がかかることがあります。
後から「思った以上に請求された」なんてことにならないように、依頼前にしっかり詳細や見積を確認しましょう。
実費
実費は弁護士が刑事施設に向かった交通費や書類作成費用など依頼によって実際にかかった費用が該当します。着手金に含まれている場合とそうでない場合があります。
日当
弁護士が活動した時間に対して支払う費用です。1日数万円程度しますが、こちらも着手金に含まれていることが多いです。
示談金
弁護士費用ではありませんが、被害者と示談する時に示談金というお金を払って解決させます。
盗撮事件での示談金の相場は30万円前後です。示談金は事件の内容や被害者感情によって前後してきます。
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盗撮事件に強い弁護士を選ぶポイント
ここまでお読みいただいているということは、盗撮で逮捕された時の弁護士の重要性は十分理解していただいていることだと思います。
ただ、弁護士と言ってもスポーツのポジションのように得意・不得意があります。
盗撮などの刑事事件を得意とする弁護士に依頼することで、もっと望む結果に近づけると言えます。
こちらでは盗撮で逮捕された時の弁護士選びのポイントや探し方についてお伝えしていきたいと思います。
まず弁護士を選ぶ時ですが、
- 過去の経験
- スピード感
この2点を重点に置いて探してみてください。
刑事事件に注力している弁護士かどうか?
お伝えの通り、弁護士の活躍の場は様々あり得意・不得意があります。盗撮で逮捕されてしまった時は、刑事事件弁護の経験が多く注力している弁護士を探しましょう。
例えば、以前弁護士を付けたことがある知り合いから弁護士を紹介してもらっても、その弁護士のホームページなどに刑事事件の実績がほとんど無いようであれば、他の弁護士も探してみるようにしましょう。
このようにインターネットで弁護士について調べれば、複数の弁護士を簡単に調べられますので、手っ取り早いです。
気になる弁護士がいれば、次に相談してみて(相談料がかかる場合があります)、さらに具体的な話をしてみると良いでしょう。
土日も対応している弁護士かどうか?
もう1点注意することが、土日も対応していてスピード感がある弁護士かどうかです。
逮捕後は土日関係なく手続きが進められていきます。弁護士と連絡が付かないからといって先に延ばしていても、その間にも被疑者は拘束され続けたままです。
弁護士に相談しようとしても、他の案件に出ていてなかなか連絡がつかなかったり、土日対応していないようであれば、他の弁護士を探した方が良いと言えるでしょう。
弁護士費用は複数の事務所でしっかり比較すること
弁護士に依頼するとなると当然費用はかかってきますが(費用相場は後でお伝えします)、料金設定は弁護士事務所によって違います。10万円単位で違うことだってあります。
気になる弁護士がいても即決はせず、具体的な費用まで確認していくつかの弁護士を比較してみることをおすすめします。
ただ、刑事事件ではスピードも大事ですので、しっかり比較検討しつつもなるべく早くにお願いする弁護士を決めることを心がけましょう。
盗撮事件に強い弁護士を探す方法
では、実際にどのようにして弁護士を探していけば良いのかと言うと、刑事事件では以下の探し方があります。
弁護士会に電話して当番弁護士に相談する
逮捕された後は、当番弁護士制度と言って1度だけ無料で接見(面談)してくれる制度があります。
当番弁護士は弁護士会の「当番弁護士連絡先一覧」から連絡することができます。
ただ、次のようなデメリットがあることも念頭に置いておかなければなりません。
当番弁護士のデメリット
自分で選べない | 当番弁護士は弁護士会から派遣される形ですので、依頼者自らが選ぶことはできません。 |
具体的解決まではできない | 初回の接見は無料ですが、それだけで刑事事件を解決させることは難しいです。 |
依頼すれば結局費用がかかる | 解決させるために依頼したり、2回目以降の接見をお願いする時は費用がかかります。 |
初回の接見は無料ですが、それだけで事件解決は難しく、依頼するとなれば結局インターネットなどで自分で弁護士を探した時のように費用がかかります。
「とりあえず接見してもらってそこから依頼するか決る」というやり方もありですが、仮に当番弁護士の対応がいまいちだったり、費用面で折り合いが付かなければまた1から弁護士の探し直しです。
繰り返しますが、刑事事件では早い対応が大切です。
広告やサイトから弁護士を探す
刑事事件に注力する弁護士を探すには、このようにしてインターネットを使って探す方法が1番理にかなっているでしょう。
刑事事件はデリケートな内容なのでチラシやCMなどで大々的に広告は出されていませんし、知り合いにも「この前逮捕された時に○○弁護士さんが~」と、周りに話している人もいないでしょう。
インターネットで刑事事件を得意とする弁護士をしっかり絞り込めばいくつかの弁護士が見つかると思いますので、その中から比較検討していくようにする方法が良いでしょう。
知人の紹介や近所から弁護士を紹介してもらうのはおすすめできない
弁護士探しと言えば、知人に紹介してもらったり、近くの弁護士事務所に行ってみるという方法を思いつく方もいると思います。
しかし、これらの方法はあまりおすすめできません。
繰り返しますが、その弁護士が必ずしも刑事事件に注力している弁護士だとは限らないからです。
仮に知人の紹介や近くの弁護士事務所があったとしても、相談前に必ず上でお伝えした、
- 刑事事件を経験
- スピード感
この2つの条件に当てはまっているかどうかだけは事前に調べておきましょう。インターネットで調べれば、大抵の場合サイトが用意されているはずです。
まとめ
盗撮罪という罪名はありませんが、盗撮行為は立派な犯罪です。
もしもご自身や身内の方が盗撮行為で逮捕されてしまった場合は、弁護士に相談・依頼することで少しでも早く解決するように働いてくれます。
刑事事件は早い対応が重要になってきます。今回はお伝えした内容を参考に実際に弁護士を探してみて、まずは相談してみることをおすすめします。初回無料で相談できる弁護士も多くあります。