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刑事事件において弁護士は被疑者の唯一の味方

逮捕され、拘留されると、警察や検察からの厳しい追及がなされます。このとき取調室には被疑者がたった一人。毎日精神的に追い込まれるような状況に立たされるケースも少なくありません。つまり、逮捕された被疑者は、弁護士をつけない場合はほとんどのケースで孤独な戦いを強いられます。

緊張状態のなか連日の追及につい『自分がやったかも』と口にしてしまったり、やってもいない余罪の存在を匂わせると罪もどんどん重くなる可能性が高くなってしまいます。そんな状況のなかで唯一、被疑者の味方になれるのが弁護士なのです。

  1. ▶︎刑事事件に強い弁護士の選び方
  2. ▶︎刑事事件に強い弁護士はどう選ぶ?
  3. ▶︎刑事事件を解決を弁護士に無料相談する4つの方法

飲酒運転で逮捕された時の罰則と逮捕後の流れ・対処法

「ちょっとくらいなら…」と、気が緩んだ時に起こしてしまう飲酒運転ですが、紛れもない犯罪行為で、警察に見つかったり事故を起こせば逮捕されることも十分に考えられます。

今回は、飲酒運転で逮捕された場合の罰則や逮捕後の流れなどをご説明します。本人の意識だけで飲酒運転は食い止められますので、『飲んだら乗らない』ことがまず第一ですが、もしすでに飲酒運転で逮捕や捜査を受けている方は得に参考にしていただければと思います。

 

目次

飲酒運転とは|酒気帯び運転と酒酔い運転の違い

一般的には『飲酒運転』と一括りにされていますが、飲酒運転は厳密には2種類があり、アルコールの影響によって分けられます。その結果、後述する刑事罰や行政処分での罰則も変わることになります。

酒気帯び運転とは

酒気帯び運転(しゅきおびうんてん)とは、アルコールを含んだ状態で自動車を運転することで、呼気中アルコール濃度によって判断されます。

【呼気1リットルあたりのアルコール量0.15mg以上】が基準となっており、飲酒検知などによって発覚すれば罰則の対象となります。

ちなみに、呼気アルコール量0.15mgは、ビール中瓶や日本酒1合に相当します。本人が酔っているという自覚が無くても、酒気帯び運転にもなることは十分にあり得ます。

酒酔い運転とは

酒酔い運転(さけよいうんてん)とは、アルコールの影響により自動車を運転できないような状態になっている場合に該当します。

酒酔い運転には呼気アルコール量は関係なく、客観的に酒に酔っていると判断されれば酒酔い運転になり得ます。

例えば、「まっすぐ歩けない」「会話が成り立たない」「ろれつが回っていない」などの状態であれば酒酔い運転になると考えられます。

酒気帯び運転と酒酔い運転の違い

酒気帯び運転と酒酔い運転はそれぞれ上記の通りですが、2つの違いはアルコールの影響となります。アルコールの影響が大きいものが、酒酔い運転となり、後述する罰則もより厳しいものが用意されているのです。

飲酒運転で逮捕された場合の罰則|刑事罰と行政処分

飲酒運転に関する説明は以上になりますが、飲酒運転で逮捕されることによって罰則をうけることとなります。飲酒運転に対する罰則は、『刑事罰』と『行政処分』で、場合によっては懲役刑を受けて刑務所に収監されることもあり得る紛れもない犯罪行為なのです。

  • 刑事罰…罰金刑や懲役刑など
  • 行政処分…点数制度による免許停止や取消し

酒気帯び運転に関する罰則

刑事罰 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
行政処分
  • 0.25㎎以上…25点(免許取消:2年の欠格期間)
  • 0.25㎎以下…13点(免許停止)

酒気帯び運転に対する罰則は上の通りです。たとえアルコールの影響が低い方の酒気帯び運転であっても、逮捕されて懲役刑を受ける可能性もあり得るのです。

行政処分でも、一発で免許停止を受けて2年間免許取得ができなくなることが起こり得ます。

酒酔い運転に関する罰則

刑事罰 5年以下の懲役または100万円以下の罰金
行政処分 35点(免許取消:3年の欠格期間)

酒酔い運転になればさらに罰則が重くなります。懲役刑は最長5年まで延び、違反点数も35点にまで増えます。

飲酒運転によって事故等を起こした場合の罰則

飲酒運転をすること自体に罰則がありますが、飲酒運転の結果に事故を起こすと交通事故を起こしたことに対する罰則が問われる場合があります。

過失運転致死傷罪

刑事罰 7年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金

交通事故によって人を死傷させてしまうと、過失運転致死傷罪が問われるケースがあります。この罪は、飲酒運転をしていない場合の交通事故でも該当しますが、事故の原因に飲酒運転があることで、より厳しく罰せられることは十分に考えられるでしょう。

危険運転致死傷罪

刑事罰
  • 負傷…15年以下の懲役
  • 死亡…1年以上の有期懲役

また、人身事故の直前に飲酒運転をしていたことが危険運転とも判断され、危険運転致死傷罪に問われることもあります。危険運転致死傷罪では、懲役刑しかない非常に重い罰則が待ち受けています。

飲酒検知の拒否

刑事罰 3ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金

飲酒運転の自覚がある状況で飲酒検知(検問)にかかりそうになった場合、「マズい」と思って拒否や逃走を試みる人も出てくるかと思います。飲酒検知を拒否したこと自体が罪に問われ、上記の罰則を受ける可能性があります。

その後の検知で飲酒運転が発覚すれば、お伝えした飲酒運転の罪も該当します。

運転者以外の人物に対する罰則

飲酒運転での逮捕や罰則は、飲酒運転を行った本人だけでは済まない場合があります。同乗者やアルコールを提供した人物にも罪が問われる可能性もあるのです。「私は運転していないから関係ない」では済まないのです。

こちらでは飲酒運転での運転者以外の罰則についてご説明します。

同乗者に対する罰則

酒気帯び 2年以下の懲役または30万円
酒酔い 3年以下の懲役または50万円以下の罰金

運転者が飲酒していることを知りながら同じ自動車に乗った人には、上記の罰則が設けられています。たとえ自分自身は飲酒運転をしていなくても、厳しい罰則を受けてしまうのです。

車両提供者に対する罰則

酒気帯び 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
酒酔い 5年以下の懲役または100万円以下の罰金

飲酒運転をすると分かっていて車両を提供した者には、上記の罰則を受けます。飲酒運転をした本人と同じ厳しい罰則です。

アルコール提供者

酒気帯び 2年以下の懲役または30万円
酒酔い 3年以下の懲役または50万円以下の罰金

飲酒運転をすると分かっていてアルコールを提供した者にも罰則があります。飲食店などで飲酒運転について確認されたり、アルコール提供を断られることは、アルコール提供者(店側)にも責任が生じるからです。

飲酒運転で逮捕されやすいケース

飲酒運転の罪については以上の通りです。懲役刑もある厳しい罰則が設けられていることには違いありませんが、飲酒運転をしたからといって、すぐさまに逮捕されることも少ないです。

場合によっては、逮捕されずに在宅事件として捜査を進められることもあります。ただし、以下のケースでは飲酒運転によって逮捕される可能性は高くなると言えるでしょう。

警察から逃走しているケース

飲酒運転をしている状態で警察から声をかけられると、逃亡しようとする人も多いです。逃亡を試みることで、「逃亡のおそれあり」と、逮捕によって身柄拘束をされる可能性が高まります。

その場しのぎはかえって状況を悪くすることがあります。

人身事故を起こしているケース

人身事故を起こすと、上記でご説明したように過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪などのより重い罪も問われるようになります。さらに、被害者も出てくるので、より捜査も慎重になります。

結果的に被疑者の身柄は逮捕によって拘束されることが考えられます。

同様の罪で前科や前歴があるケース

飲酒運転が警察から発覚することにより、過去の前科や前歴も調べられることとなりますが、同様の罪で以前にも前科/前歴があれば、「反省していない」として、逮捕される可能性が高くなります。

飲酒運転で逮捕された後の流れ

刑事事件 流れ

飲酒運転で逮捕された場合、主に上記の流れで刑事手続きが進められていきます。飲酒運転に限らず、他の犯罪でも逮捕後は上記の流れになるのですが、特に重要な部分が『起訴』されるまでの最長23日の期間です。

起訴とは、検察官が裁判官に対して刑事裁判の提起を行うことで、実質的には有罪と等々です。上記でご紹介した何かしらの罰則を受ける可能性が高いでしょう。

一方、起訴されないことを『不起訴』と言い、被疑者の身柄は解放されそれ以上の罰則を受けることはありません。仮に飲酒運転をしていたとしても、しっかり反省していたり、被害者との示談が済んでいる場合には、不起訴を獲得することも可能です。

ですので、飲酒運転をして逮捕されたのであれば、後述する対処法を起訴されるまでのできるだけ早い段階で取っておくことが大事になってくるのです。

【関連記事】
【徹底解説】刑事事件における逮捕後の流れ|リミットと早期解決の対処法

飲酒運転で逮捕された後の対処法

お伝えのように、逮捕された後は少しでも早くできる対処法を取っておく必要があります。最後に、飲酒運転で逮捕された場合の対処法についてご説明します。

まずは弁護士に相談する

こちらでは一般的な飲酒運転の逮捕での対処法をお伝えしますが、実際には具体的な状況によって取れる方法も最適解も変わってきます。

まずは弁護士に個別の相談を行い、状況に応じた適切なアドバイスを受けるようにしましょう。すでに刑事事件に発展している状況であれば、無料で相談を受けてくれる弁護士も多くいます。

お一人で悩んでいても、刑事事件の知識がなければ良い答えも出てこないかと思います。まずは弁護士に相談することを心がけましょう。

【関連記事】
【刑事事件】弁護士に電話で無料相談できる窓口一覧|相談時や弁護士選びのヒント

反省をして再犯を防ぐ

検察官は被疑者が再び飲酒運転をすることを心配しています。飲酒運転で逮捕された後に少しでも状況を良くする方法の1つは、しっかり反省して再犯をしないと検察官や裁判官に分かってもらうことです。

行政処分によって免許取消を受けてしまう可能性が高いので、例えば自動車を売却して、そもそも簡単には運転ができない状況にすることも再犯防止の1つの方法です。

アルコール依存症の傾向がある方は、更生施設等での更生や治療も再犯防止と反省を示す方法です。

被害者と示談を行う

人身事故を起こして被害者がいる場合には、被害者と示談交渉を済ませることも非常に有効です。

ただし、飲酒運転によって事故を起こした背景もあるので、被害者の方も示談に簡単に応じてくれない可能性が高いと考えられます。

弁護士が間に入って示談をすることで交渉もまとまりやすくなりますので、示談をする際には依頼も前向きに検討してみてください。

まとめ

飲酒運転は紛れもない犯罪行為で、飲酒運転そのものに刑事罰や行政処分があります。

酒気帯び運転 呼気アルコール量0.15㎎以上の飲酒運転
刑事罰 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
行政処分
  • 0.25㎎以上…25点(免許取消:2年の欠格期間)
  • 0.25㎎以下…13点(免許停止)
酒酔い運転 アルコールの影響が出ている状態での飲酒運転
刑事罰 5年以下の懲役または100万円以下の罰金
行政処分 35点(免許取消:3年の欠格期間)

飲酒運転の種類は上記の2種類に分かれ、厳しい判決の場合には懲役刑を受けることもあるでしょう。また、飲酒運転によって人身事故を起こした場合には、さらに厳しい処罰を受ける可能性が高まります。

飲酒運転をした本人以外にも罪に問われる可能性もあり、「運転者ではないから関係ない」では済まないこともあります。

飲酒運転で逮捕された場合、少しでも早く再犯防止や反省を示す行動を起こしてください。具体的にはまずは弁護士に相談して、適切なアドバイスを受けることが良いでしょう。

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